平成24年7月の再エネ特措法のスタートに伴い、「再エネ賦課金」というかたちで、年々電気代が値上がりしていることをご存知でしょうか。
この「再エネ賦課金」とは、再生可能エネルギーによって発電し、電力会社が一時的に買い上げる電気料金を、電気の使用量に比例し、電気を使う全ての国民が負担する電気料金のことをいいます。この「再エネ賦課金」の料金単価は、平成24年度の制度開始以降上昇の一途をたどっており、20年間は値上がりすることが法律でほぼほぼ確定しています。
太陽光が設置できない者にとって、設置者のみが利潤を得るこの制度は憤りを感じますが、各家庭においてどの程度の負担増となるのか解説します。
再エネ賦課金の推移
制度開始以降、再エネ賦課金の単価は以下のように推移しています。
平成24年度:0.22円/kWh
平成25年度:0.35円/kWh
平成26年度:0.75円/kWh
平成27年度:1.58円/kWh
平成28年度:2.25円/kWh
kWh(キロワットアワー)という単位ではピンとこないと思いますので、各家庭のひと月あたりの料金に換算します。標準的な家庭では、ひと月あたり300kWh程度の電力を消費するといわれていますので、実際の月の負担増額は概ね以下の金額と考えていただければ結構です。
平成24年度: 69円
平成25年度:105円
平成26年度:225円
平成27年度:474円
平成28年度:675円
このように、実際負担額は年々上がり続けています。この負担額は、「20年間上がり続ける」のですが、法律上のからくりを説明したいと思います。
再エネ賦課金が年々増加する理由
法律では、国が買い取る期間を定められており、最も影響の大きい産業用太陽光で20年間、住宅用太陽光で10年間の再生可能エネルギー全てを国が買い取ることとなっています。
よって、再生可能エネルギーが導入されればされるほど、20年間にわたりストッックベースで賦課金額が積み上がっていき、毎年値上げが起こってしまうのです。
電気料金における再エネ賦課金の割合
再エネ賦課金による値上げ金額が、全電気料金の何%程度の値上げなのかを試算します。我が家では、中部電力の従量電灯Bを利用していますので、平成27年5月に月に300kWh電力を使ったと仮定し電気料金を試算したところ、以下のとおりとなりました。
電気料金部分:8,293円
再エネ賦課金: 474円
総 額:8,767円
再エネ賦課金による値上がり率:5.7%
平成27年度時点ですでに電気料金に5.7%もの再エネ賦課金が加算されているのです。額にすると相当な値上げということと実感します。見方を変えれば、太陽光を設置しているお金持ちのために、太陽光を設置しない(できない)貧乏人が負担するという構図となっているのかもしれません。
まとめ
太陽光を設置していない方の負担を減らすには、省エネ電球などを導入するなど努力して電気の使用量を減らすという方法以外や、クーラーの使用量を減らすなど電気の使用量を抑えることが挙げられますが、ライフスタイルを大きく変えるほどの節電は現実的ではありません。
では我々はどのように自己防衛すべきなのでしょうか。
勝ち組と負け組という言葉がありますが、太陽光発電の勝ち組となるためには、自宅の屋根に太陽光発電システムを設置することしかありません。設置費用(イニシャルコスト)は一昔前に比べてかなり安くなりましたので、資金的に余裕のある方は、太陽光発電システムの導入を検討する場面に差し掛かっているものと思います。
「資金に余裕のある方」と前置きしましたが、借金をしてまで太陽光パネルを設置することはリスクがあります。「借金して太陽光発電してはいけない理由」のページで詳細を説明しますので合わせてご覧ください。

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