太陽光パネルは屋根を葺き替えない限り、最低でも10年以上、普通に考えれば20〜30年間は設置しつづけるものと思います。よって、現時点で大量の太陽光パネル「ゴミ」が発生していませんので、一概にいくらとは言い難いところですが、将来かかるコストとしてあらかじめ収支に含めておいたほうが無難です。
太陽光パネルの材料として、大きく分けるとシリコン系と化合物系に分類されますが、化合物系には様々な材料が使われています。このうち、結晶シリコン型のものは、国内市場の8割近くのシェアを占めると言われています。
シリコンというとキッチン用品のヘラなどのイメージを持たれる方も多いと思いますが、一番身近なもので言えば、実は「石」のことなのです。柔らかいシリコンを処分するのが難しいとは思わないでしょうが、石となると、産業廃棄物になるのかなとイメージいただけるのではないでしょうか。
次に化合物系ですが、以下のように無機化合物の元素を組み合わせたパネルが使用されています。
InGaAs太陽電池:インジウム-ガリウム-ヒ素
GaAs系太陽電池:ガリウム-ヒ素
CIS系太陽電池:銅-インジウム-セレン ←ソーラーフロンティアなどはこの方式です
CdTe系太陽電池:カドミウム-テルル
太陽光パネルに使用されるシリコンは、製造コストがそれなりにかかるため、このシリコンをリサイクルしようと検討したこともあるようですが、様々な種類や技術的課題があり、有価でのリサイクルは難しいという結論に達しているようです。
また、太陽光発電システムの重量の約8割を占めているのは、ガラスです。リサイクルに向けての検討がはじまっているところですが、太陽光発電システムは屋外に設置されますので、風雨にさらされても大丈夫なように、封止材(EVA)という樹脂が使われており、解体時の除去方法の検討がはじまっているようです。
つまりは、現状ガラスのリサイクル方法は確立されておらず、かつ、公害物質として有名な、ヒ素や鉛が含まれる太陽光パネルの廃棄には、それなりのコストがかかってくるもとの考えておいたほうが良いと思います。
よって、設置代金の5%程度は廃棄費用として見積もっておいたほうが良いと考えます。